嘉弖苅悠介氏の流麗な絵に、それぞれ書き手が物語を描く。
竹の子書房ならではの企画、『絵が先』シリーズ第二弾。
貴方はこの絵に、何を思い描きますか?
【立ち読みサンプル】
る・りどぅ・り・ら 有川憂
白いワンピースを翻し、少女が二人古い洋館から出てくる。振り返り、部屋の中を見て手招く。
「おばあちゃま、早く早く」
二人の少女に手を引かれ、老婦人が穏やかに微笑んだ。
「ほほ、イリ、リノ。引っ張らないで、お花は逃げやしないわ」
「でも楽しい時間はあっという間に過ぎるわ! おばあちゃま」
口を揃えた二人に、老婦人はゆったり頷いた。
「ええそう。本当にそうね。人の一生は短いわ……」
【続きは本編で!】
透明感のある絵の元に紡がれる、六つのお話。
短い物から、中編まで。
一つも同じ様な話がないことが不思議です。
個人的には「エデンの庭」と「理由」がオススメです。
表紙のイラストから生まれたお話たち。
透明な美しさと生々しい存在感が同居するイラストの、特性が反映された作品群です。