一枚の写真を元に、書き手が話を考える。
そこに描くは、夢か希望か。あるいは、過去。あるいは幻。
貴方はこの写真に、どんな物語を描きますか?
【立ち読みサンプル】
不機嫌な空 水崎沙亜乃
不愉快そうに彼は乗り込んだ。
不安な気持ちを押し殺し、椅子に腰かける。
不機嫌な彼。不埒を隠し通したい私。
やがて空へと近付く頃、彼が唇を押し付けてくる。
私のキスは不自然じゃなかっただろうか。このまま空から落ちてしまえば、二人自然に死ねるのに。
硝子越しの風景が歪んで不思議に見えた。
【続きは本編で!】
一つの写真へ、自由なテーマで書かれた短編・中編集。
温かな話あり、幻想的な話あり、戯曲的・詩的な物もある。
ああ、人の数だけ『その人だけの世界』があるのだと知らせてくれる一冊です。
手触りの違う物語を、存分に楽しめます。
観覧車というキーワードで繋がっている一冊ですが、どれを取っても同じものはおろか似ている話すらない事に驚きすら感じます。
子供の頃のワクワク感から大人の切ない感情までぐるぐる回る、まさに観覧車。
自分だけの「観覧車」を探したくなりました。
「観覧車」の写真に寄せられた、6編の物語。作家によってのアプローチの違いを楽しめる一冊です。
お題の、観覧車のお写真が引き出したお話の数々。
同じ風景から引き出されたお話が六話。六通りの、違う世界のドラマです。
「写真が先」というコンセプトは、ものすごく面白いですよ!
よろしければ、みなさんの心から生み出されたお話も、お伺いしたいです。
”写真が先”ということで、この実物からシルエットになる刹那を切り取った観覧車の写真から作者達は何を思ったのか。
”BL”や”怪談”というカテゴリーに入っていないため先入観無しで物語を読む楽しさがありました。
観覧車を軸にした様々な物語をお楽しみください。