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管理用
松原のなさん、待望の単著は芳賀沼さらさんのお題画、この表紙絵より生み出された短いお話です。
カチカチカチ、と、時計の秒針の音が聞こえるような錯覚がありました。入れ子状態のような場面描写と緊迫感。幻想小説ならではの魅力が、ぎゅっと詰まっています。
ひんやりと薄暗く、饐えた匂いのする標本室の情景に、いつしか自分が取り込まれてしまう……。
最後のページを捲ったときに、呼吸を、鼓動を確かめたくなるような静かな狂気。
お題絵と文章の表裏一体の融合を、あなたも感じてみませんか?
薄暗い中に埃っぽさと薬品の鼻を突く匂いがちらつきます。
どこまでが現実でどこからが夢なのか。
じっとりとした不安感。
耳をそばだてるように目が離せなくなりました。
私はとても好きです。
みなさんも、是非この感覚を共有してみてください。