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管理用
近藤宗臣氏の絵にいつも感じることは、この世の闇、光さえ届かぬ漆黒の闇の中にあるのであろう光だ。
その光には、思うに熱量というものが完全に欠如している。
闇の中に輝くそれは、おそらくそこに蠢く「生命」の光。
そこでしか生きられなかった「生命」の光なのではないかと、私は毎回そのような印象を受ける。
今回の出題画にも、それと同様の美しさを感じた。
誠に悲しい光であるが、美しい―――
この出題絵に対し、つくね乱蔵氏の用意した物語もまた凄まじい。
なんという救いのなさであろう。なんという不条理だろう。
どういう経緯でそうなったのか? どこにその要因があったのか?
そもそも、それを避けることが可能だったのか?
多くの疑問を不条理の闇の中に置き去りにし、残されたのが「私は悪くない!」という悲鳴と絶望だけという本書の読後感は、つくね乱蔵氏の読者に対する挑戦であると受け止めてもいいだろう。
おかあさん―――
朽ちていく生命が、そこに残された唯一の光だ。
それはなんとも美しく、恐ろしい。
近藤宗臣さんのお題画に、私は「魔界」を感じました。冷徹な絶望だけが静かに存在する、世界を幻視しました。
そしてこのお題画に、つくね乱蔵さんが捧げた物語の凄まじさ。まさに、絵に感じたとおりの「魔界」が、このお話の中、いっぱいに広がっていました。
短いお話です。でも、その密度と濃度は計り知れません。「おかあさん」という、たった一言に託された、凝縮されたあらゆる意味と感情に、頭がくらくらしています。
読む前に、覚悟が必要です。