ねめつく視線にこめられたのは、歪んだ好意か、激しい憎悪か。
生きているがゆえに、その怪異は不気味で、不快で、不条理……。
竹の子書房の定番、創作怪談アンソロシリーズ最新作!
今回は、生霊にまつわる怪談だらけの一冊です。
【立ち読みサンプル】
数珠ちぎり つくね乱蔵
「元カノの生霊だったりして」
冗談交じりの友人の言葉だったが、玉枝には思い当たる節があった。不幸が始まったのは、今の彼と付き合い出してからなのだ。
友人がくれた御守り用の数珠は、嵌めた途端ぶつりと切れた。
玉枝は意地になってワイヤーで数珠を直した。
翌日、事故で手首ごと千切れたという。
【続きは本編で!】
表紙と中表紙で既に怖れおののく。
まあ、それは頁を実際にめくってからのお楽しみ。
本書は生霊をテーマとした創作怪談ですが、ある意味では死霊より生霊の方が怖いと私も思います。
……だって連中、まだ変化を続けているんですから。
まず、表紙絵の女性が、実は大好きだったりします。唇の縫い目が特にリアルすぎて、痛怖いけどセクシー。
生霊テーマの超短編集なんですが、著者陣の変則技が多くて読み応えがあります。もちろん実話ではなくて創作集です。ほんと、創作でよかったと心から思います。
「生霊」”いきりょう”と書いて、”いきすだま”とはなんとも不気味な響き。
おぼろちゃんとかずぷーさんの作品が大半を占めているが、彼らはよほど生霊に苦しめられた経験でもあるのだろうかww と思いながら読ませていただきました。
粘着性のあるものから、ポップなものまで。
みなさんも生霊を飛ばす指南書として是非。。。