氷原公魚全集 鰻編(Kindle)

「――とにかくひどい」 それが褒め言葉になる作家は、数少ない。 全身全霊がっぷり四つに組み合った、 いろいろひどい、怪作短編集。 【立ち読みサンプル】 白磁の空間 「今年も、あと三時間か……」 六畳二間のボロアパートの一 […]

書誌情報

(編著)氷原公魚

  • 装画:悠&よぴー
  • ページ数:509 KB
  • 価格:250
  • ファイル形式:mobi
  • 発行日:2011/02/12
  • 改訂日:2013/05/15

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「――とにかくひどい」

それが褒め言葉になる作家は、数少ない。

全身全霊がっぷり四つに組み合った、

いろいろひどい、怪作短編集。

【立ち読みサンプル】

白磁の空間

「今年も、あと三時間か……」

六畳二間のボロアパートの一室で、笹井はつぶやいた。

窓の外には、微かな風の音。

きっと路地裏では薄暗い街灯の明かりと迷い猫が、寒さに身を縮ませているに違いない。

今ごろ人々は暖かい家の中で、過ぎゆく年を思い返して幸せの余韻に浸っているのだろう。いわば、西暦一九九二年が永久に過去になろうとしている一瞬に、残り僅かな時を懐で温めているようなものか。

もちろんそれは、孤独な貧乏学生である笹井もそうであった。

【続きは本編で!】

 

※2013年5月15日に氷原公魚全集第二巻を「鰻編」と改題したKindle版がリリースされたため、KDPの規約に基づきPDF版の公開を終了しました。