神沼三平太が最初に書いたという実話怪談集「怪談とか。」が竹の子書房にやってきた。
上下巻で百話の実話怪談の入った大ボリューム。総ページ数160ページ。上下巻合わせて380ページ越え。
怖い話、不思議な話満載でお送りします。竹の子書房版のみのボーナストラック入りです!
【立ち読みサンプル】
橋渡り
「誰にも喋ったことないんですけどね」
Oさんはそう言うと、ゆっくり話し始めた。
小学校の頃、Oさんが学校に遅刻したことがあった。
その理由は結局Oさんは先生にもご両親にも話さなかったのだという。子供心に、
(――何か変だ)
と思っていたからだ。変だと気付いてしまったOさんは、怖くて先生も両親にも話せなかったのだ。
【続きは本編で!】
怪異がびっしりと詰め込まれております。一話一話が短く、文章が読みやすいので
さらっと読むことができます。しかし、怖いです。この怖さは蓄積します。
上巻を読んで時間が経っているから大丈夫…と、読む前は思っていたんですけど
甘かったです。
怖さはもちろんのこと、蒐集者たり得るものに必要なことに気付く一冊です。
因果だけでは語れない、1000粒も実話怪談を集めるという偉業。
そこにある、怪を見つめる想いを感じていただきたい。