恐怖箱 展怪

話者が変わると視点が変わる。 当たり前の事だろう。 しかし、視点が変わると怪異も変わったとしたら? ほのぼの怪談かと思っていたら、静かに恐怖が牙を剥く。 そんな体験のできる一冊をどうぞ。 【立ち読みサンプル】 愛犬・A  […]

書誌情報

(編著)もけたろう

  • 装画:nekome
  • ページ数:44
  • 価格:無料
  • ファイル形式:PDF
  • 発行日:2010/12/05
  • 改訂日:2010/12/05

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話者が変わると視点が変わる。

当たり前の事だろう。

しかし、視点が変わると怪異も変わったとしたら?

ほのぼの怪談かと思っていたら、静かに恐怖が牙を剥く。

そんな体験のできる一冊をどうぞ。

【立ち読みサンプル】

愛犬・A

Nさんの家に、Sさんが訪ねてきた。

どうやら、愛犬を亡くしたことを聞いたらしい。

態度や言葉使いから、気を遣ってくれているのは充分に分かる。

(そうだ。他の人にも見えるのかなぁ?)

愛犬の名を呼ぶと、ソファーの陰からトムが駆け寄る。

Sさんは声にならない悲鳴を上げてその場にへたり込んだ。

愛犬・B

Nさんは愛犬を亡くし、悲しみに暮れていた。

Sさんが様子を窺いに行くと、予想とは違い大変明るい。

さり気なく理由を尋ねると、「あの子が帰ってきたの」と笑顔で答えた。

「トム! トム!」声に反応するように、ソファーの陰から何かが出てきた。

無表情の若い男の顔が、床を滑るように近付いてきた。

【続きは本編で!】