そこは冥界と陸続きなのか――。
数々の心霊スポットを探訪し、そこから怪異の臭いを嗅ぎ取るルポルタージュ。
シリーズ第二弾。
Webページ「日本伝承大鑑」を著し、ブログ「日本伝承大鑑<weblog版>」を精力的に更新する著者が、えり抜きの心霊スポットに自ら足を運び、その独特の空気感をお届けする。
【立ち読みサンプル】
3.道了堂跡(東京都八王子市)
八王子市の中心街を国道十六号線に沿って南下していくと、大学のキャンパスが林立するエリアに入っていく。そして八王子バイパスと国道が交差する場所、鑓水ICに到着する。この周辺だけは、近代的な八王子のイメージとは若干異なり、タイムスリップしたような、昔ながらの農村の風景を彷彿とさせるものが点在する。ここに「絹の道」が存在する。
私が一冊の本を片手にこの地を訪れたのは、この歴史的街道ではなく、その一角にある心霊スポットの道了堂跡のためである。だが、この道了堂跡がスポットとなってしまった背景を辿るためには、「絹の道」を無視するわけにはいかなかった。
【続きは本編で!】
二巻目初版の表紙を描かせて頂いた分際で何ですが、自分は怖い話が苦手です。
その怖がりがすんなり読めて、後から後悔してしまう本。それが「探冥」シリーズです。
内容は、写真と共に淡々と綴られるルポタージュ。
初見では、さほどの恐怖は感じないかもしれません。
が、読後に色々と思いを巡らせ、深く掘り下げながらもう一度読む時に恐怖感は倍増しとなる、かもしれません。
自分が怖がりなだけかもしれませんが。
後からじんわり、怖っ。
非常に興味深い恐怖の入り口の世界へ、ようこそ。
個人的な話で恐縮ですが、生まれも育ちも熊襲なもので、仲哀トンネルのお話は
日本史的な意味からも興味深く読ませていただきました。
著者の方の感情や憶測等を抑えた文章。まるで絶えずこちらに「あなたはどう感じる?」と
問いかけられているようです。ただ、文中、一度だけ「痴れ者」という単語が出てきたのですが
この部分に、非常にドキッとさせられました。読了後、かなり時間が経っているのですが
いまだに胸に刺さっております。
同じく読了後に表紙絵を見ると、ゾッと恐怖が走っていきました。可愛い絵なのに…。
実はお話にあります「道了堂跡」家から徒歩5分の場所にあります。
これを読んだあともう一回行きました。
いつもの風景がまた違う景色に見えました。
今もまだ開発が続く街です。
「新しい怪異の伝説作り出される予感…」
最後の一節にぞくりとしたのです。