神様との約束は千年の美しさ。
それは僥倖か、それとも呪いか…。
絶望の果てにあるものは、虚無のみなのか…。
幸せを願うすべての人に捧げます。
※2010年12月11日発行の改訂第四版以降は新装版になります。
【立ち読みサンプル】
夜天の星が今ほど少なくはなく、冬が今ほど暖かくはなかったころ、遠い国に一人のお姫様が生まれました。
その女の赤ちゃんは、生まれて間もないと言うのに、すでに美しさで人々を惹きつけずにはおかないほどでしたので、名付け親になった仙女は、
「この姫君の前ではどんな花も己を恥じてその身を散らすでしょうから、『捧げる花もなし』という名前にしましょう」
と言いました。
王様もお妃様も、本当はもっと愛らしい名がいいと思ったのですが、名前は名付け親だけが贈ることのできるものだったので何も言いませんでした。
【続きは本編で!】
大変面白かったです。姫には幸せになってほしかったけど……
全て読み終えた後に、もう一度タイトルに戻ったとき、「ああ、そういうことか」と
深く納得がいきました。読む年代や性別、それぞれの環境によって幅広い感想が
あるんだろうな。読むときの自分の精神状態にも左右されるかもしれない。
「姫へ」、ひとつ質問が生まれました。「生まれ変わっても同じ容姿を望みますか?」。
姫が神様にお願いした
「千年の美しさ」
これが叶った時、彼女は何を失ったのか。
そして千年経った時に彼女が気付いた事とは…
世界で一番美しくそして悲しいお姫様の物語です。
もしもう一度お姫様が生まれ変われたら、今度は幸せになって欲しいと思いました。
読みやすい文章だから低学年のお子様にもオススメ。
しかし大人も楽しめるだけのテーマが内包されております。
文章読解力に応じて感想が変化するかも。
時間を少し空けて何度か読み返してみるのもいいかもしれません。
「シンデレラ」や「ラプンツェル」と並んでもおかしくない良いお話でした☆
童話や昔話にあるようなお話に含まれた教訓的なものが見えました。
人間、失って初めて気づくことってあるんですよねぇ。。。(遠目
本当に大切な物って何か、それを優しく教えてくれる童話だと思います。