そこは冥界と陸続きなのか――。
数々の心霊スポットを探訪し、そこから怪異の臭いを嗅ぎ取るルポルタージュ。
シリーズ第一弾。
Webページ「日本伝承大鑑」を著し、ブログ「日本伝承大鑑<weblog版>」を精力的に更新する著者が、えり抜きの心霊スポットに自ら足を運び、その独特の空気感をお届けする。
【立ち読みサンプル】
1.ホワイトハウス(新潟県新潟市西蒲区)~序にかえて~
真夏の日差しを浴びて、あのホワイトハウスは建っていた。
角田浜海水浴場にある駐車スペースから徒歩で約二分、海水浴客でにぎわう浜辺からあっけないほど近い場所であった。まさかこんな所に日本屈指の心霊スポットがあるとは予想もせず、何か物足りなさを感じつつ、木立の中にぽつねんと建つ廃墟を見上げた。
外壁が白く塗られていたために、通称「ホワイトハウス」と呼ばれるようになった廃墟であるが、心霊スポットとしての勇名は全国にとどろいていると言ってよい。
【続きは本編で!】
最初に言っておこう。この本は怖い。
とは言え、怖がらせようとして書かれた文章などでは決してない。
淡々と、「否定」にも「肯定」にも傾かず見たままを書かれたルポルタージュである。
見たまま感じたまま、そこにある奇妙な「共有感」に引き込まれる。
その共有感の向こうに本能的な「怖さ」があるのだ。
それは人々が紹介されている場所を訪れる理由に似ているかも知れない。
怪談とは違う、じわりと追い縋る「業」と言う名の恐怖をどうぞ。
根っからの怖い物好き、または怖い話は苦手だけれと興味はある、という人にお勧め。そこが何故そうなったのか、という由来と現状が、写真も交えて淡々と語られます。
心霊スポット嫌いで怪談も苦手な自分が、淡々と読めたルポタージュです。
ただし、不気味さは読み終わった後にじわじわとキます。
怖っ。
おもしろいなぁ。カラー写真を印刷物に入れるにはコストがかかる=販売価格もあがる。
モノクロの写真じゃあインパクトもうせるしなぁ。
そう考えるとインターネット、会員制かな?
小説と写真、短いコメントと写真なんて狭い世界だけど実に面白味がある。
読後感想文として以下を捧げます。
http://twitpic.com/30p97i
表紙と見返しから、早速、探冥の世界へといざなわれます。
冷静な分析、中立の目線から描かれる文章、しかしそれらは決して興を削ぐものでは
ありません。むしろ逃げ場を無くすという効果があり、純粋な怖さが後味に残ります。
また、民俗学の目線からみても興味深く、公に伝えたい内容であると感じました。
廃墟探訪の客観的視線で見た、秀逸な心霊スポット・ルポ。
なぜそこが「廃墟」と化したのか、また「心霊スポット」と化したのか。
著者の分析は鋭いが、物件そのものの「穢れ」がじわりと後から滲み出してくる。
そうなった理由はそれだけで説明できるのか。
そう考えたとき、本書の与える恐怖はさらに倍化する。
客観性を重視する心霊マニアや、廃墟マニアの方にオススメしたい一冊。