怪集 百目

    忘れたいと思いながら、私はあいつが病んでいる様子を確かめたかった。 見てみたかったのだ、あの女の弱っている様を。 ホラーの名手、青山濫明が描く人間の深い闇と業。   【立ち読みサンプ […]

書誌情報

(編著)青山藍明

  • 装画:近藤宗臣
  • ページ数:122
  • 価格:無料
  • ファイル形式:PDF
  • 発行日:2011/08/24
  • 改訂日:2011/08/24

この電子書籍を読む

 

 

忘れたいと思いながら、私はあいつが病んでいる様子を確かめたかった。

見てみたかったのだ、あの女の弱っている様を。

ホラーの名手、青山濫明が描く人間の深い闇と業。

 

【立ち読みサンプル】

河合さん、と帰り際に係長に呼び止められ、嫌な予感が胸をよぎる。
喫煙所に手招きされ、二人で示し合わせたように煙草に火を点けると、ふわりと紫煙が舞い、換気口に吸い込まれていった。しばし、ただ黙々と煙を吸う、吐くという単純な動作を互いに繰り返す。
係長が何を言おうとしているかは、薄暗い部屋で肩を落とす中年男の申し訳なさそうな、かつ厄介なことから逃れられる安心感と半々になっている微妙な表情で見て取れた。

【続きは本編で!】