出会いは最悪。
でも不思議と憎めない。
いつの間にか俺の心に転がりこんだろくでなし。
14歳、甘く切ないバレンタインデーの物語。
【立ち読みサンプル】
こういう状態のことを「両手に花」だとかいうのかな、とも思う。
だけど、これがそうなら別にありがたくもなんともない。
何がそんなに楽しいのか、キャッキャと浮かれる女の子に囲まれてひそかにため息をつく、十四の春。
「あーっ、そんなにデカイなべ火にかけてどうすんだ!うどんでもゆがく気かっ!」
この日、何度目になるんだか分からない怒鳴り声にも、女の子たちは動じない。
三人もいるから強気なのか、もしかして俺に貫禄が足りないのか……。
【続きは本編で!】
冒頭からしばらく、「あれ? これBL違う?」的な流れがありますが、ご心配なく。この作品は、まごう事無きキュン系BLの王道でございます。みんなの住む街角にも、きっとほら、こんなキュンストーリーが…!と、もわもわすること間違いなしなリアル感があります。
あと、チョコに限らず食べ物が沢山出てくるのですが、それがもういちいち美味しそうで美味しそうで! 一作品で何度美味しいのやら。続編を強く希望します!!
BLと言えば、めくるめく攻めと受けの世界……と思っている人(私だけか(^^;?)にこそ読んでほしい、と思う一作。
まだ色恋への関心は淡く、むしろ他の日常的な人間関係に揺れ動く多感な主人公。読み始めたときは一瞬「あれ? これガッQ文庫(ラノベ)だっけ?」とも思ったのですが、読み終わってみるとそこにも巧みな狙いがあるのだなと気付かされます。
恋愛だけじゃないんだけれど、恋愛もまた、少年の成長の大きなステップなのですね♡
素敵な一作でした。
主人公のエプロンにによによです(腐)。