悪筆怪談 と言って、グラスを置いたという

悪筆怪談 と言って、グラスを置いたという 【立ち読みサンプル】 悪筆怪談 第一回 「……あれは、もう十年以前も前のことです」 志下沼さんは、<ワイルドターキー>をドバドバとグラスに注ぎ、そのバーボンの入ったグラスを持ち上 […]

書誌情報

(編著)雨宮淳司 加藤 一

  • 装画:悠&よぴー
  • ページ数:108
  • 価格:無料
  • ファイル形式:PDF
  • 発行日:2010/11/21
  • 改訂日:2010/11/21

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悪筆怪談 と言って、グラスを置いたという

【立ち読みサンプル】

悪筆怪談 第一回

「……あれは、もう十年以前も前のことです」

志下沼さんは、<ワイルドターキー>をドバドバとグラスに注ぎ、そのバーボンの入ったグラスを持ち上げて眺め上げながら言った。

「当時私は、妻の実家に住んでいました。つまり、妻と妻の父と母、妻の兄弟である長男の才蔵、次男の次郎、長女のこずえ、次女のみき、三男の鬼太郎。そして才蔵の妻である貞子と長男の一郎。次郎の妻であるキャロラインとその娘のベッキー。執事のゴメスとメイドのベッキー。あと庭師の彦左衛門。運転手の黒川というのもおりましたっけ。これらが同居していたわけです」

「……随分大家族なんですね」

「ええ」

志下沼さんは、そう言ってグラスを置いた。

(……飲まねえのかよ)

【続きは本編で!】