書誌情報
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(編著)宮武外骨 加藤一
- 装画:宮武外骨
- ページ数:58
- 価格:580
- ファイル形式:mobi
- 発行日:2013/12/25
- 改訂日:2013/12/25
●本書は宮武外骨『猥褻風俗史』を電子復刻したものです。
●本書独自のコンテンツとして、『猥褻風俗史』が刊行されるに至った社会背景と、著者の思惑などについての考察を含みます。
宮武外骨は、明治・大正・昭和に掛けて活躍した売文家である。
二十世紀末頃、赤瀬川原平氏によって再発見・再評価され、『滑稽新聞』『面白半分』などを始めとするコミカルかつ諷刺の効いた雑誌や、代表作『山東京伝』に見られる筆禍・禁令に関わる著書を数多く残し、また本人も筆禍が元で数度に亘る投獄や科料を経験していることなどから、「明治の奇人」「反骨のジャーナリスト」などとも評価されている。
本人は、世の自身への評価を承知した上で「奇人上等」とも取れる開き直り、評価を逆手にとっての奇書刊行をたゆまなく続けた。外骨自身がそれらの著書の中でしばしば「売文家」を高らかに自称しているので、我々もそれに倣ってこの偉大なる先人を「売文家」と呼びたい。褒め言葉である。
宮武外骨の著作は実に膨大だが、そのうちの一部については過去に幾度かの復刻が試みられている。
一方で、恐らく待てど暮らせど将来に亘って復刻が期待できないものがある。
むしろ、そちらこそが「気まずい、際どい、引き合いには出しにくい」ような題材ばかりを選んで刊行してきた宮武外骨の真骨頂であろうと思われるのだが、明治・大正における「気まずい、際どい、引き合いに出しにくい」という呪いは、今日にもまだ十分に生き続けているようで、学術的な研究資料として研究者のために作られた影印本を除くと、これらが電子復刻される見込みは絶望的であると考えられる。
本書『猥褻風俗史』なども、そうした「気まずい、際どい、引き合いに出しにくい」のど真ん中、世間の邪道だが外骨の王道のような一冊である。それ故に、敢えて困難な電子復刻に挑戦するとともに、この作業を通じて外骨の気骨と内面に迫った。
二十一世紀の今日、多くの著者作者にとって頭の痛い表現規制問題、児童ポルノ規制法の拡大適用問題などと瓜二つの構造、状況にあった明治時代。
反骨の売文家・宮武外骨は、法の定める「猥褻」に如何に挑んだか。
その答えは、本書の中にこそある。
アマゾンで『猥褻風俗史』のKindle適応の電子書籍を購入したいのですが、現在取り扱いになっておりません。別の購入手段をお教えいただきたいです。